くろとの想い出(V)
平成9年8月12日その年最高の暑さの日朝いつものように散歩に行き庭にいたくろ
用事をしていた私が、2時間ぐらいたってふっと庭を見るとくろがいません。
慌てて探したのですが姿が見えず、丁度お盆休みに入っていた主人、息子達と
捜しに歩いても姿は見えませんでした。この暑い中何処へ、
心配をしながら何回も外へ出て見ると、玄関先でぐったりとして寝ているくろを・・・
すぐにクーラーの部屋へ
ノドが乾いているだろうと牛乳を飲ませるとすぐに嘔吐。庭へ行きたがったので出してやりました。
時々様子を見ると芝生に横になっていました。
庭にいるという安心感から用事をしていると、夕方にまた姿が見えなくなり。
急いで玄関先で「くろ〜」と
何回も呼ぶと何処へ行っていたのかよたよたと帰ってきました。
それからは場所を移動しながらの嘔吐で苦しそうでした。
掛かりつけの動物病院へ電話で様子を言うと水分を与えないで様子を見るようにということでした。
体をさすってやることしか出来ず辛い思いでした。
夜も更け落ち着いている様子だったので、次男と、うとうと・・・
午前3時ごろ、目がさめくろを見に庭へ降りて行くと縁の下で横になっていたので
「くろ」と呼びながら<触るとすでに冷たくなっていました。
すぐに次男と主人を呼び縁の下から部屋の中に連れてきていつも横になっていた布の上に寝せてやりました。
涙が止まりませんでした。
7時ごろ、くろを拾って連れてきて下さった方に電話をするとすぐに来てくださり、
一緒に悲しんでくださいました。
その時
「上野さんがくろをいつも可愛がって下さっている
姿を見ていて、ありがたく思っていた」と。
いつもは家族バラバラの生活でしたがこの日は偶然にも家族全員揃って見送ってやることが
出来たことが良かった思っています。
長男は悲しさから最後の別れが出来ず他の部屋へ、
次男は最後まで触ってやっていました。
1ヶ月間は悲しみで外を殆ど歩けない状態の私でした。
あの時こうしてやれば良かったと、反省することしきりでした。
買い物でワンちゃんを見るとくろを思いだし涙が止まらない生活をしていました。
1年余り過ぎやっと涙が出なくなりました。
家族の絆を深めてくれたくろにありがとうの気持ちでいっぱいです。
お骨は今でも家にあり、今年の春には庭に埋葬する予定です。
合掌 1996.7
結局、2000年の夏、実家の庭にあるゆずり葉の木の下に埋めてやりました。